発達障害があると就職できないの?
・就職できたとしてもうまくやっていけるのかな?
・発達障害を隠して働いた方がいいかも…
・給料はどのくらいもらえるんだろう?
すべてが心配になりますよね。
発達障害を持っている人が就職に不安を感じることは当然ですよね。
「発達障害 就職」と検索すると「就職できない」や「障害 隠す」というワードも一緒に出てきて、さらに不安になってしまいます。
この記事では、なぜ発達障害が就職できないと言われているのか。
年収はどのくらいなのか、障害を隠して働くことができるのかなど、発達障害がある人が就職するときのポイントをまとめてみました。
発達障害は就職できないのか?
発達障害といっても、人によってその症状や障害の重さは様々ですよね。
発達障害を持っている人で、社会に出て活躍している人たちもたくさんいる一方で、就職するときに簡単ではないのも事実です。
一定数の社員がいる会社では障害者を雇用する「障害者雇用促進法」という制度があります。
しかし、発達障害は症状が見えづらく、職場で理解してもらいにくいことで、会社側も雇用しづらい現状があるようです。
就職できないと言われている理由と、発達障害を持つ人の就職率、受け入れ企業があるのかについてもチェックしていきたいと思います。
就職に不利と言われる理由
発達障害を持つ人は就職するときに不利だと言われていますね。
ここではその理由を5つ取り上げて見ていきたいと思います。
①コミュニケーションが難しい
②柔軟性が低い
③感覚過敏
④刺激への対応が難しい
⑤周囲の発達障害への理解のなさ
発達障害がある人は、他人とのコミュニケーションが難しいと言われています。
他人の気持ちや暗黙の了解、場の空気を読むなど、うまく理解できないことが原因の一つですね。
また、変化に対する柔軟性が低いとも言われています。
発達障害を持つ人は、ルーティンや予測できることに対する能力が高く、一定の仕事ではとても優れた能力を発揮することができます。
一方で、普段と違う事や、トラブルへの臨機応変な対応がむずかしい場合が多いでしょう。
他にも感じる力が鋭く、刺激に敏感な人もいます。
音や光などの刺激によって、集中力が途切れてしまうこともあります。
最後に、周りの人たちの発達障害への理解が不足していることも問題です。
職場の上司や周りの知識不足によって、適切なサポートができないため、一緒に働いていてもトラブルになりやすいようですね。
発達障害の就職率はどのくらい?
”発達障害のある大学生の人数は、2010年から2020年の10年間で7倍に増えているが、2020年の発達障害のある学生の就職率は73.5%であり、学生全体の就職率98%に対し、かなり低い状況にある。”
30発表論文集 (jeed.go.jp)
具体的な数値は時期や地域によって違うため、ひとくちにコレと言える数字はありませんが、発達障害の人の就職率は一般的に低い傾向があります。
例えば、自閉症スペクトラム障害の人の場合、就職率は一般の人の半分以下といわれています。
また、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の人も、適切なサポートを受けないと職場でのトラブルが増えることがあり、就職が難しい場合があるようです。
ただ、最近では発達障害の人々に対する理解や支援も進んできています。
企業が特別なプログラムを提供したり、発達障害の人たちに適した職場環境を整える動きも増えています。
これにより、発達障害の人たちも自分の能力を活かして働くことができるようになると期待されています。
発達障害があっても就職できる
発達障害を持つ人が社会に出て就職することは可能です。
会社にとって、様々な能力や違った視点から考えることができる人が必要だからです。
発達障害をもつ人は、特別なアイデアや人とは違う発想力を持っていることが多いと言われています。
「発達障害があるからこそ出せるアイデアがある」ということですね。
さらに、適切なサポートを受けることで、発達障害の人が持つ力を最大限に引き出すことができます。
会社も、職場環境を整えることで発達障害を持っていても働きやすい場所を作ろうとしています。
例えば、リモートワークやフレックスタイムの導入。
作業のルーティン化など、個々のニーズに合わせた環境作りが、働きやすさを向上させることがあります。
これにより、発達障害のある人々が、自信を持って自身の能力を発揮し、自分らしい働き方ができるようになるんです。
発達障害者の受け入れ企業も
現代社会では多様性を尊重する動きに代わってきており、発達障害者を受け入れている企業が多くあります。
例えば、テクノロジー分野の企業では、発達障害者の論理的思考や、細かい作業を評価し、強みを生かしたプロジェクトに参加させることがあるといいます。
金融やコンサルティングの分野でも、発達障害者の新しい視点が、ビジネスに新しい考え方を生み出すのではと期待されています。
そのため、発達障害者の採用にも積極的にチャレンジしているんです。
これらの企業は、単に雇用の機会を提供するだけでなく、適切なトレーニングやサポートを通じて、発達障害者がスキルを向上させ、自信をつける手助けもしています。
1言ったら10わかる人もいますが、発達障害を持っていて、臨機応変な対応が苦手な人には順序立てて説明しないと伝わりません。
発達障害のある人と働くことで、人を活かすスキルが上がったり、周囲に気を配れるようになったりと、一緒に働く側のスキルも上がるのではないでしょうか。
発達障害の平均年収は低い?
発達障害者を積極的に受け入れている企業が増えている一方で、発達障害を持ちながら働いている人の年収は一般的な年収よりも低いと言われています。
2021年の日本の20代の平均年収は、業種や職業によって差はありますが、およそ300万円から400万円程度です。
このことからみても、発達障害者の平均年収は低めであることがわかりますね。
発達障害を持つ人は、ルーティンワークが多く、リーダーなどのポジションに就くことが難しいです。
そのため、昇進やキャリアアップが見込めないことが影響しているようです。
一部の企業では積極的に発達障害者を雇用し、支援する取組みをしていますが、まだまだ年収の差があると言えます。
発達障害者が収入を増やすための支援をしていくことが、今後の課題となってきますね。
発達障害者の就職を隠すことは可能?
発達障害を持っている人が就職するときに、障害を隠して就職活動をするという選択肢もあります。
実際に隠して就職することは可能なのでしょうか?
発達障害を公表することで、適切なサポートを受けることができます。
けれど、個人のプライバシーに関わることなので、公表することが良いとは限りません。
ここでは、発達障害を会社に公表して就職活動をするオープン就労。
発達障害を隠して就職活動をするクローズ就労について、メリットとデメリットをあわせて見ていきたいと思います。
オープン就労とクローズ就労
オープン就労とは、発達障害であることを企業に公表して就職をすることで、障害者雇用枠の求人に応募することになります。
オープン就労で働くメリットは障害に対して周囲から理解してもらいやすい、配慮が受けやすいことです。
例えば障害が原因で退職をし、その後復帰をした場合、以前と同じように働けるとは限りません。
オープン就労なら、業務や勤務時間に対して配慮してもらうことで、ムリなく働くことができるでしょう。
一方デメリットは、求人数が少なく仕事の内容も限られてしまうことです。
賃金も低くなるケースが多いようですね。
クローズ就労は、企業に対して障害があることを公表せずに就職をすることをいいます。
クローズ就労の場合でも、面接時に質問された場合は嘘をつくことはできないので、注意が必要です。
また、クローズ就労のメリットは、求人数が多く賃金もオープン就労より高くなることが多いことです。
デメリットは、自分の持つ障害に対して会社からの配慮がないため、負担がかかりすぎてしまう、業務が終わらない等もあるでしょう。
さらに、公表していないために、休みをとりづらいといったことも考えられます。
発達障害隠さず就職した方がいい
「プライバシーを守る」といった意味で、隠して働いている人がいることも事実です。
けれど、隠しながら働くことで自分自身が苦しくなってしまっては元も子もありませんよね。
発達障害のことを隠して働くのは、長い目で見るとストレスが溜まったり、疲れて仕事が嫌になってしまうかもしれません。
発達障害を隠さず、受け入れてもらえる会社なら、配慮があったり、サポートしてくれることが多いです。
それに、発達障害を隠すよりもオープンにする方が、職場での人間関係がスムーズになることもありますよね。
自分のことを周りの人が分かっていてくれるのと、そうでないのとでは働きやすさが違ってきます。
ですが、無理に発達障害のことをオープンにする必要はありません。
自分のプライバシーを守るということも大切なので、最終的な判断は「自分がどうしたいか?」ということを1番大切にするのがいいと思います。
自分が楽しく、ストレスなく働ける環境を見つけるのが一番ですよね。
発達障害が就職するときのポイント
発達障害を持つ人が就職するときのポイントはあるのでしょうか?
ここでは、発達障害を持つ人が就職活動をするときに気を付ける事や、押さえておきたいポイントを4つに絞って説明していきたいと思います。
自己理解、コミュニケーションスキル向上、適職選択、スキルアップ、これらは発達障害の有り無しに関係なく、就職活動をする全ての人にとっても大切なことです。
発達障害がある場合には、自分のもつ特性を生かしたり、障害によって苦しまないためにより重要となってきます。
自分の発達障害を理解する
まず、自分がどのような発達障害を抱えているのか、自分で理解することが大切です。
自分がどんな状況で苦労しているのか、逆にどのような状況だったら力を発揮することができるのかを、自分でわかっておくことという事ですね。
自身の発達障害への理解を深めることで、自分の強みや弱みを明確にすることができます。
発達障害を持っているからこその、独自の視点や創造力を、ポジティブにとらえてみましょう。
そうすることで、壁にぶつかった時には、その状況に合わせて適切な対処法を見つける能力も身につけられます。
自身の発達障害への知識を深めるために、関連する本を読んでみる、ネットにも情報がたくさん出ているので活用してみてくださいね。
自己分析をするために日記をつけたり、自分の過去の経験を振り返ったりしてみるのもいいですね。
また、家族や友人など親しい人と自分の発達障害について話すことで、新たな気づきがあるかもしれません。
自分の個性を受け入れ、積極的に活かしてみましょう。
発達障害はあなたの一部であり、それを理解することで自信にも繋がっていくでしょう。
コミュニケーション能力の向上
コミュニケーション能力は、社会にでて働く上で必要不可欠な能力です。
職場で良い人間関係を築くために、コミュニケーションスキルは大切ですよね。
発達障害を抱える人は、他人とのコミュニケーションが苦手だという人も多く、苦労することがあるかもしれません。
けれど、日常的なトレーニングやコツを学ぶことで、コミュニケーション能力は向上させることができるんですよ。
まず、相手の目を見て話す、笑顔を心掛ける、相手の話に耳を傾ける、といったことを意識するだけでも、相手と良い関係を築くことができます。
また、自分の意見や気持ちを適切に相手に伝えることも大切なことです。
自分の考えを整理し、要点をわかりやすく伝える方法を考えてみるといいかもしれません。
最初は誰でもうまくいかないものです。
あなたのまわりにいるコミュニケーション能力が高い人も初めからそうだったわけではないかもしれません。
失敗を恐れずに積極的にコミュニケーションをとっていくことで、自分に自信がついたり、上手に人と関わっていく方法を学んできたのかもしれませんしね。
向いている職種や環境を選ぶ
発達障害の症状や深刻度は様々ですが、一般的には明確なガイドラインが存在する仕事が適しているとされています。
発達障害を持つ人にとって、具体的な指示や規則が整っている環境のほうが、働きやすいんです。
前の作業が終わったら次は何を行うかが明確になっている、タスクの流れや期限、連絡先が具体的にわかっていると、発達障害を持つ人にとって仕事がしやすくなります。
また、自分の発達障害について周囲に理解してもらうことも重要です。
職場の上司や同僚と発達障害を共有することで、適切なサポートを受けつつ仕事に取り組むことができます。
ただし、会社側の配慮だけでなく、自身でも工夫することも大切になってきます。
例えば、メモの取り方や仕事の進め方を工夫することで、効果的に業務を進めることが可能です。
障害に対する理解と適切な環境がある会社は、あなたに合った職場になる可能性が高いからです。
自分のスキルアップをする
忘れてはいけないことは、自分自身のスキルアップをすることです。
発達障害があるからといって、会社や周囲に頼るばかりではいけませんよね。
例えば、パソコンが得意であれば、もっと他にも出来る事を増やす等です。
発達障害を持つ人は苦手を克服するというよりは、できることをもっと伸ばす方が得意な人が多いので、得意に目を向けてどんどんスキルアップしていきましょう。
幅広く活躍できるというよりは何か一つのことに特化して、それを極めていくことが良いかもしれませんね。
発達障害を持つ人でも、自分の可能性を信じ、積極的にスキルアップを続けて行くことで新しい道が開けるかもしれません。
発達障害者の就労支援がある
発達障害者の就労をサポートする機関はたくさんあります。
サポート機関では、発達障害者が社会で自立して働けるように、必要なサポートやトレーニングを行っているんですよ。
発達障害者の増加に伴って、色々な福祉サービスや就労支援制度が適用されるようになってきています。
一般就労では難しい場合に、こうした制度を利用することで、就職できる可能性が広がります。
まだまだ、課題の多い分野ではありますが、こうした働き方を選ぶ人も増えてきているんですよ。
発達障害者の就労サポート機関
- ・障害者雇用支援センター
-
各地域にある、発達障害者の職業訓練や雇用支援を行う機関です。
個々の能力や興味に合わせたプログラムがあり、適切な職場を見つける手助けをしています。 - ・福祉団体やNPO法人
-
発達障害者の雇用支援やトレーニングを専門に行う団体もあります。
個別のニーズに合わせてサポートを提供します。 - ・企業の障害者雇用部門
-
大企業の多くは、障害者を雇用するための部門やプログラムを用意しています。
これにより、発達障害者が適切な職場環境で働く機会が広がります。 - ・職業訓練施設
-
就労に必要なスキルを習得するための訓練施設もあります。
コミュニケーション、社会人としてのモラル、振る舞いなど、色々なことを教えてくれます。 - ・個人指導サービス
-
1対1でサポートを提供する専門家もいます。
個人に合わせたトレーニングやアドバイスを受けられます。 - ・雇用契約支援
-
障害者雇用に関する契約や手続きをする専門家が、雇用主と発達障害者の両方をサポートしてくれます。
発達障害者の雇用パターン
発達障害者の雇用パターンは、障害の種類や程度、個人のスキルや関心、環境などによって異なります。
発達障害者の雇用に関する一般的なパターンを4つ紹介します。
- ①専門職・専門分野での雇用
-
発達障害者は、特定の分野で高い専門知識やスキルを持っている場合があります。
独特な観察力や集中力を活かし、IT、芸術、科学などの専門分野で成功事例があります。 - ②繰り返し・単純作業
-
発達障害者の中には、繰り返し作業が得意だという人がいます。
- ③クリエイティブな仕事
-
発達障害者の中には、創造的な分野で優れた才能を持っている人もいます。
音楽、デザインなど、クリエイティブな表現を通じて活躍することがあります。 - ④起業をする
-
フリーランスの仕事、クラフトやアート制作など、自分のペースでできる仕事で成功している人もたくさんいるんですよ。
発達障害があってもそれぞれ違う能力や興味を持っているので、自分の個性に合う雇用パターンを見つけることが重要なんですね。
また、発達障害のある人たちが働く職場では、その人たちの違いを受け入れ、理解して一緒に働ける環境を作ることが大切となります。
発達障害は就職できないのまとめ
この記事では、「発達障害就職できない」を解説してきました。
- 発達障害でも就職できる
- 発達障害者の受け入れ企業がある
- 障害を隠して就職することも可能
- 障害を隠さず就職すると長続きできる
- 自分の特性を理解してスキルアップ
- 就労支援を利用する
発達障害者でも、自身の得意、不得意を理解して自分のスキルアップをすることで就職に繋げることができます。
その他にも、就労サポートを利用するなどして、少しでも自分にとって働きやすい環境の職場を見つけてくださいね。
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